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未成熟の誘惑

第2章 caseなつ

「妹」



「後輩って呼んでください」



「お前、幽霊って信じるか?」



我ながら馬鹿らしい質問だった。



白いワンピースを着て、包丁を片手に少女が闊歩するわけがない。



そう信じたかったのだ。



ここ日本は、そのくらいは平和なんだって信じたかった。



「幽霊は信じるよ」



妹の返答は予想外だった。



そのさきの答えは、さらに予想外だった。



「だって私、幽霊だもん」



半透明化する現実。



嗚呼、今日は本当に暑い。

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