テキストサイズ

未成熟の誘惑

第2章 caseなつ

妹とは何だったのか考える。



俺にとって年下の異性とは何だったのか。



「いつからお前は幽霊に昇格したんだ」



「昇格というよりは降格にちかいかな。ほら、覚えてる?私が6歳のころ」



「覚えてないな」



「帰りの遅い日があったでしょ。その日ね、私死んでしまったのよ。でも魂は生きてた。だから、幽霊になったんだあ」



「なったんだあ、とか言われても」



記憶を辿る。



そういえばそんな日があったかもしれない。



雨のよく降る、丁度梅雨入りの時期だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ