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未成熟の誘惑

第2章 caseなつ




「お兄ちゃん、あたしね、今日帰り遅くなるから」



「どうせまたあの仲良しの家に行くんだろ。いってこい」



「うん、行ってくる」



うだるような暑さの中、妹はでかけていった。



本当にちかい家だったんだ。



雨がふりそうで、入道雲が待ち構えていたけど、そんなの気にならないくらい近かった。



そう、夏子の家は、うちのすぐ隣だったんだ。



妹はなつ、友達は夏子。



仲良くならない訳がない。



どうしてあのとき、やたら欠伸をしたのだろう。



何故涙が止まらなかったのだろう。

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