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嘘でもいいから

第7章 好きになってごめんね

気付くと私は目をつぶり…
おしぼりを持つ想さんの手を
自分の頬にそっと押し当てていた。

こんな風に触れたかった…
想さん…

でもその手はパッと振り払われる。


「ダメだよ…優花ちゃん」


私は現実に引き戻された。

そうだ、想さんは優花さんの恋人…


「あ…ごめんなさい…
気にしないでください。
私ちょっと想さんに甘え過ぎですね…
おかしなこと言ってすみません。
大丈夫なんで…もう自分で…」


「違うんだ…優花ちゃん…」


違う…?

意味が分からず想さんを見つめ返すと
想さんに手を引かれ
彼の胸の中に顔を埋め
抱きしめられていた。

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