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星も、パンも

第15章 パンは、星を救えるのか…



「…今日は…博也を連れて帰ります―――――…」



松本は、俺の手を引っ張り――…


薄暗いロビーを離れた――…



「…ごめん…

ごめん―――…ヤー君…」



石丸さんの…
謝る声が背中にあたる―――――――…




“ごめん―――…
…ミー助が好きで―――…”


“ごめん―――…
…裏切って―――――…”

“ごめん―――…”に…いろいろ含まれていそうで――…


泣けてくる――――――…





俺は…間違ってしまったんだな…




愛し方を―――――…







俺は…病院から…ずっと――…繋いだままの松本の手を――――――…



そっと放した…






「…博也?」



「解ったか――――…

俺は…普通じゃねーんだよ」



立ち止まり…





涙を流す――――――…




「俺は――――――…

好きな奴を苦しめるだけの存在だった―――――…


しまいには…声まで…奪ってしまったかと思うと――――…


8年前の俺の選択は――…
間違いだらけだったんだよ――…


イタ過ぎて――――――…

笑えない…」






俺は…ど〜していいのか…立ち止まったまま―――…


夕日が夜を連れてきそうな空を……濡れた瞳で確認する…




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