無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「困りましたねぇ…」

ここは魔導世界のユーアシアにある聖地ﾞヘブロンﾞこの聖地は魔導貴族の住処である。そこに大聖堂と思われる場所に１人ため息を付くように呟く１人の中年男性が居る。

「どうしたんだ？リカルド公。」

その左に片眼鏡を掛けたメタボリック体型…いやポッチャリ体型の中年男性はリカルドと呼ばれてるらしい…

「実に困ったのですよゼノン。」

「だから何が？！」

「先日ですね。魔導貴族専用の養生の土地に賊同士の戦闘があったのですよ。」

「あぁ…確か魔導遺産になっていて魔導貴族しか入れないあのフォレストパークの事かい？」

「えぇ…監視映像にもバッチリと映っていたのですがね。」

「なんだよ？全く問題がねぇじゃねぇかよ。」

「それが無いんですよ…」

「は？」

「その賊達のデータが何ひとつ無いんですよ。」

「おいおいリカルド公。それって…」

「賊には逃げられデータが無いので監視映像からの照合出来ない。正に八方塞がり。」

「なるほどね。ふぅ…」

ゼノンと言う男はスーツの内ポケットから煙草を取り出して口にくわえて火を着けて一服。

「つまりリカルド公は今、世界貴族のお偉いさんに結構プレッシャーを？」

「そうですねぇ…もう胃が痛いですよ。」

リカルドはシルクハットの中から胃薬を取り出して口を開けて水を入れては腹のなかに流し込む。

「なんかさ。映像を見た感じ魔法なのか？魔法にしちゃ結構ショボい感じがあるな。それに…面白そうだな。」

「あんまり呑気な事を言わないで下さいよゼーちゃん。」

「ぶふっ！そ、その呼び方は止めろ！糖分の取りすぎて糖尿病寸前なんだからよ！」

「可愛らしいじゃないですか？ゼーちゃんって。それに我輩はポッチャリ体型なので。」

「どうでも良いわ！早死にするぞ。」