
カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-
第4章 第4話 ギルド全員集合
ダリオが考えるのはこうだ。ゴスロリッ娘のコウモリは確かにゴスロリッ娘の指示で動いている。だが、ある程度の範囲ではゴスロリッ娘自身が指示を出さなくても自動的に動く仕組みみたいだ。
「…それに、コウモリ、私と目を繋いでる…だから、貴方が、後ろから…攻撃する、分かった。」
「…これは、さすがに……最初からチェックメイトだったとは…」
ゴスロリッ娘は抑揚の無い声で言葉数も少ないから詳しく言うとだ…
ダリオが背後から攻撃する為に隙を伺っていたのは最初から知っていて、更に言えばコウモリが見たものはリアルタイムで自分にも見えている。
そんな所だろう。つまりダリオのラヴァーズとの相性は最悪で何もかもダリオのやることはゴスロリッ娘にはお見通しだったのだ。
「…貴方、仕留める…バッド・カッター…」
「……」
するとゴスロリッ娘の数十体といるコウモリ達はゴスロリッ娘の周りに集まると1つに固まり、形を変えて1匹の大きなコウモリになった。
そして、ゴスロリッ娘と変わらない大きさのコウモリは、コウモリにしてはバカみたいに大きく、その大きなコウモリが回転し始める。
コウモリの回転が段々と加速していくと、まるで風を切り裂くようなカッターになるのであった。
「…貴方、ここで、終わり…」
「それは、どうかな?」
「…?」
「君は気付いてないのかな?僕はラヴァーズを引っ込めてないって事にね。」
「……ッ?!ふ、不覚…」
そうダリオはあの千載一遇のチャンスを握り潰され、更に差し違い覚悟で突っ込んでも、むしろダメージを負ったのはダリオ。
だがゴスロリッ娘はただ1つだけ気づいてなかった。倒れ込んでいたラヴァーズはダリオが引っ込めていたと勘違いしてダリオの目の前に立ち、ダリオを仕留めようとした。
そしてダリオが適当にゴスロリッ娘と話していたのは彼女に気付かれない為だ。
