
カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-
第3章 第3話 恋人-ラヴァーズ-と戦車-チャリオッツ-
俺達の目の前に人が2人倒れ込んで…
「おい純弥ッ!」
「分かってる!きっと何処かで…」
1人は変わった髪型をしていて白髪に半分は黒髪で、もう1人はくせ毛の茶色の髪型をした男達だ。
着ている服も土とか葉っぱが着いていて顔にもかすり傷が幾つかある。何かに巻き込まれた可能性はある。
「取り敢えず医者に運ぼうよ!」
「そうだな。この世界にも医者くらいは居るだろうな…」
俺は白髪と黒髪の男、純粋はくせ毛の茶髪を運ぼうと担ぎ上げた所で2人から物凄い腹の虫の音が…
「お、お腹…空いて…力が…」
「さすがに…まる1日は…キツいぜ…」
白髪と黒髪の男と茶髪の男が順に掠れた声で腹の虫を何回も鳴らしながら、まるで最後の力を振り絞る様に訴える。
「純弥…」
「どうやら医者より飯を食わした方が良さそうだな。」
俺も純弥も半分呆れながら苦笑いしながら街に入っていき取り敢えず飯屋を探す。
街に入ったのは良いけど…中々飯屋が見付からないなぁ…
みんな食材を売ってたり宿だったり武器屋とか宝石屋とかさ…ん…
「ご、ごめんよ…迷惑を掛けて…」
「別に気にすんなよ!困ってたら助けるのが普通だろ?!」
「有り…難う…君は優しいんだね…」
俺が担いでる白髪と黒髪の人の顔って何か色んな傷跡ってか縫った様な後があるのが気になるけど…まぁ良いか。
「おい。頼むからせめてちゃんとは歩いてくれ。」
「す、済まねぇ…何にも食ってねぇから足が覚束なくて…」
「全く…」
純弥もくせ毛の男の人を担ぎながら飯屋を探しているけど中々見付からないな…俺も結構マジな方で腹減ってきた…
すると人間は不思議なもので空腹になると食い物の臭いが分かりやすくなる。
俺は微かに鼻孔をくすぐる匂いを辿って行く。近付く毎にその何とも美味そうな匂いは強くなっていき辿り着く。
