
カード×ロワイヤル-異世界転生への奇妙な旅-
第3章 第3話 恋人-ラヴァーズ-と戦車-チャリオッツ-
その店は何処かの西部劇の映画で見たことある様な酒場だがそこから香ばしく芳醇な食欲をそそる匂いがしてくる。
「いらっしゃい。」
俺は担いだまんま店のドアを開けると店のマスターが元気よく出迎えてくれた。まぁさすが酒場だけあって朝っぱらから酒を飲む連中もいるわけだ。
「人数は4人でお願いっす!」
「はいはい。じゃあ好きな席に座りな。」
「うぃっす!」
そして俺は4人が座れる場所に白髪と黒髪の男の人を座らせてから、それに続いて純弥がくせ毛の茶髪の男の人を座らせて俺と純弥も座る。
「取り敢えず何を食うんだ?」
「ん…」
そう言いながら店のメニューを見たけど…どれが美味いのか、どんな食材を使ってるか分からないから…
「マスター!」
「メニューは決まったかい?」
「マスターのオススメの料理を4人…いや8人前で!」
「おいおい、そんな食えるのか?」
「大丈夫!この2人は腹ペコだし俺の胃袋はブラックホールなみだからッ!」
「アハハハ!そうかいそうかい。これは作りがいがありそうだ。少し待ってな。」
「おうッ!」
マスターは豪快に笑いながらそう言った後に踵を返して厨房の中へと入っていく。
「もう少し待っててくれよな。飯が出てくるからさ。」
「有り難う…」
「恩に…きるぜ…」
2人は腹の虫を鳴らしながら半分項垂れた状態で言うのがやっとなのか元気がない。そりゃあ誰だって腹が減ってると元気がないよな。
「刃。」
「ん?どうしたんだ?」
「ちょっと周りを見てみろ。」
「どうして?」
「何か可笑しくないか?」
「…?」
俺は純弥に言われた通り店の周りを見てみると俺は純弥の言う何かが変な事に気付く。
「なんで…椅子があるのに椅子に座らせてあげないんだ?それに手錠に足枷も…」
