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シアワセ

第2章 悲しい娘 喜一side



あぁ。そうか。

じゃあ、あの子も汚れた存在か


「よくも……よくもまぁ、経営なんて出来るよな」
「……喜一……」
「…俺への当てつけ?」
「違う」

きっぱりそう言いきる兄。

いや、兄、は間違っているな

義兄、か。

「………お前、会社は?」
「言われなくても、しっかりやってる。兄貴の代わりにな」
「…悪いな」
「…………兄貴。俺、ここへ通うよ」
「は?」

兄の顔が曇る

俺はにやりと笑った

「……清華…ちゃんに興味あるんだ」
「…何が目的だ?」
「なにもないさ。ただ…俺の復讐とかそんなもんさ」
「……喜一…」

俺は記憶の片隅にある女を思い出す

「……」
「なぁ、喜一……あの人はっ」
「今さら、なんだよ?あの人は、なんだ?」
「っ」
「………とにかく、俺はここに通うから。じゃあな」

俺はそういうと、兄に背を向ける。



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