シアワセ
第1章 始まりと終わり
ノックして部屋にはいると
すでに男が一人座っていた
その人は、私を見るなりにやにやとする
見た目はそこそこいいが、拭いきれない嫌悪感
うわ。
なんか、気持ち悪い
そう思いながらもにこりと笑う
「ご指名ありがとうございます。今夜は…」
「いいよ、こっちへおいで」
そういって笑う顔は完璧なエロ親父だ
「失礼します」
「………ふぅん。いい女だな」
「そんなことないです」
そういって少しうつむきがちにほほえむ
こういう奴は少し大人しい方が効く
「少し待たせたんだ。楽しませてもらうぞ」
「あら、お酒は飲まないんですか?」
そういって、少し寄っ掛かり上目づかいに尋ねる
「え?……うーん。清華ちゃんがそういうなら飲もうかな」
「ほんとですか?嬉しいなぁ。飲んで、気持ちよーくなられてから、楽しいことしましょ?」
「ふふふ。そうしようかな」
またしてもニヤニヤしだす男。
私は部屋の外にいる注文用の業務員に焼酎を頼む
「…清華ちゃんは、何歳?」
「えー女の人に聞いちゃいますか?」
「聞いちゃうー」
「秘密です!恥ずかしいもの」
「え~」
そんな他愛ない話をしてると焼酎が届く。
そして飲み始めるとすぐに男は私の足を撫ではじめる
「やだぁ。もう酔ったの?」
「うん。早く、ベッドにいこうよ」
そういうと男は私の足から胸に手を伸ばす
それを避けて私はベッドに座る
「ヤるなら、ここ、でしょ?」
そういったとたん男はまるで獲物を見つけた獣のように私の上にのしかかる
「きゃあ」
「かわいい声だしちゃって…ほぅら。もっと、かわいい声を聞かせてよ」
「んもう」
「あぁ、僕の名前を教えるよ。宮成京だ。名前を、呼んでくれよ?」
そう耳元で囁かれ嫌でも背筋がぞわりとする