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彼女

第11章 真実

俺はテラスに出て煙草を吸った。
吉沢「昨日の美波可愛かったなぁ。」
一人呟いてみる。
あんなに可愛いなんて思ったのは、美波にたいしてだけだよな。


俺は学生時代やたらにモテてた。それを鼻高々つまり天狗になってた。
永瀬も佐藤も白石も当たり前のようにモテた。
俺らは、しょっちゅうツルんではバカみたいな事をしていた。

そんな俺達の前に現れた子がいた。あれは中学の時だったなぁ。当たり前のように騒がれてた俺達に見向きもせずに…名前なんて言ったっけ?思い出せねぇなぁ。
いつも、なにかに怯えてるというか…。
一度なにか忘れたけど、永瀬が怒鳴ったんだよなぁ!めっちゃ怒って…。

あの子どうしたんだろう?


俺、今までちゃんと好きで付き合ってなかったような気がする。
中学の時、見向きもしてくれたなかった子が忘れられなかったのかもしれないなぁ。
美波のおかげで、好きってどんな気持ちなのか気づいた気がする。


一ヶ月後


佐藤「同窓会の案内状来てたけど、行く?」
白石「とりあえず出席って事で!」


2週間後
{同窓会会場}
同級生A「吉沢くん達って相変わらず格好いいね。」
同級生B「でも最近、彼女出来たって本当?写真ある?」
吉沢「写真あるよ。この子が俺の彼女!!可愛いだろう?」
同級生C「この子って…。」
吉沢「なに?知ってるんの?」
同級生D「湊さんだよね?」
吉沢「そうだけど…なんで知ってんの?」
同級生B「だって…私達と同じ中学だよ。」
吉沢「えっ!?」
同級生A「彼女あんまり目立つ子じゃなかったからじゃない?ほら覚えてないかなぁ…永瀬くんが勘違いして怒鳴りつけて発作起こした子いたでしょ?」
同級生B「一部の女子は、あんな風に発作が起こるの知ってたから気を付けてたんだけど、その事をあとから知った子が永瀬くんに嘘ついて…あんな事になっちゃったんだよね。でも、あとから聞いたんだけど、親からひどい虐待を受けてて発作起きた時も、連絡受けた親のほうが嬉しそうに『死んだの?』って聞いたって先生達が言ってたよね。」
同級生C「そうそう!先生達びっくりして言葉が出なかったって言ってた。」
同級生A「中学卒業したら家追い出されたって聞いたよ。」

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