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彼女

第14章 すれ違い

俺は自分が欲するままに美波を抱き、欲望を満たすだけの毎日を送っていた時に、美波の体調の変化に初めて気づいた。
喘ぐ声が小さくなって、体重が軽くなって……それもあるけど、なにかが…違う…?


一ヶ月後


久しぶりに永瀬達と飲みに出掛けた。
永瀬「久しぶり!元気だったか?」
亮「あぁ。」
佐藤「とりあえずビールで!」
白石「あとは唐揚げ、枝豆、刺身盛り合わせ……。」
適当に頼んで、乾杯した。
久しぶりに会ったからか話が弾(はず)んで、笑いまくった後に
永瀬「この前、美波に偶然会ったよ。」
亮「どこで…?」
永瀬「病院の前で…体調悪そうにしゃがみ込んでる人がいて声をかけたら、美波だった。俺、焦(あせ)って抱き上げたら、めっちゃ軽くて…。」
亮「…………。」
白石「俺もこの前、会った。でも前みたいに喋らなくなってて……泣いてた。吉沢は美波の笑顔消したのか?」
吉沢「俺は…。」
白石「『みんな一緒が良かった』って泣きながら言われたけど、吉沢…どういう事?」
佐藤「吉沢もしかして美波ちゃんの事お前の欲望をぶちまける道具に使ってんじゃないだろうなぁ?」
吉沢「……使ってた。」
佐藤「お前!!」
白石「美波の人格無視して自分の欲望ぶちまけて何してんだよ!」
永瀬「俺達また一緒に住むか?正直、俺は美波にまだ惚れてるから…。」
白石「俺もその意見に賛成!」
佐藤「俺も賛成!!美波ちゃんのいない生活って苦痛だし、これ以上さっ鬼畜吉沢に傷め付けられる美波ちゃんをほって置けないから!!」
永瀬「美波に伝えといてくれ!」
亮「美波……の声しばらく聞いてないんだ。笑顔もなくなって喋らなくなってた。俺……。」



半年後



俺達5人は、また部屋をシェアして住むようになった。
俺と美波はまだ籍を入れてなかったので“保留”という形になった。

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