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君の隣の相棒さん、

第22章 愛という名の譜面(甲※)

不思議そうな顔をする彼女。
そんな彼女に視線を合わせると、そのまま隣に立った。


「ねぇ朔ちゃん。一曲、付き合ってくれないかな?」


『いいですけど…なにを‥っ』


ふと立ち上がった彼女の腰にそっと俺の手を添えるとグッと引き寄せて、彼女との距離を縮める。


すると当然のように彼女の身体は緊張で硬直して、思わずピアノに手をついていた。


「そんなに緊張しなくても良いでしょ?今に始まったことじゃないんだしさ」


『学校‥ですよ?ここ』


「うん。だからこそだよ。‥‥燃えない?学校ってさ」


あからさまに怪しい笑みを見せる俺に、彼女の大きな瞳が見開かれる。


同時に顔を背けたのでその方向に俺の顔を持って行けば、彼女の顔は赤くなり瞳は潤んでいた。

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