テキストサイズ

君の隣の相棒さん、

第24章 左側から覗く瞳。右側の紅いピアス(大)

彼女は恐らく、恋愛には奥手だ。
彼女は大河内さんが好き。
口にしなくとも俺が見抜いたそのときから、彼女は何かにつけてその相談でひっきりなしになっていた。
あの人の何処がいいのかと聞けば彼女は


『尊にはない魅力があの人にはある』


そう言っていた。彼女なりに感じる何かがあったのだろう。

正直、あの人の魅力は俺には分からない。


多分、一生かかっても彼女にしか分からないだろう。
まぁ、知りたい訳でもないけど‥‥

でも彼女はこんなことも言っていた。


『尊。私がもしあの人に出逢っていなかったら、今頃は貴方の傍にいたわ。断言出来る』


「え、どうして?」


『だってあの人の魅力を知るまではずっと貴方だけを見ていたもの。貴方は気付いていないみたいだけど…』


彼女が、俺を好きだったと言った。
今頃になって気付いてしまった彼女の真意に、俺は酷く後悔していた。
だけどそう気付いたときにはもう遅い‥‥だって彼女はもう、あの人の魅力に取り憑かれているのだから…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ