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君の隣の相棒さん、

第24章 左側から覗く瞳。右側の紅いピアス(大)

帰り際。待つだけじゃ駄目だと教えると、彼女は振り返って微笑んで見せた。
それはとても優しく、震えるほどに美しい微笑みだった…。


「何やってんだろ、俺‥‥」





────夜。神戸と良く行っていたBARに今では彼女といる。

そのひとときだけは上司と部下という距離を忘れ、いつも以上に縮まった距離を楽しむことが出来る。


「今日は珍しく神戸と一緒だったみたいだな」


『ええ‥まぁ』


彼女は酔うと少しばかり口数が増える。
この時くらいしか私が彼女とまともに話す機会がないのは非常に残念だ。
だからこそ、私は必要以上に彼女と話すその時間を目一杯に楽しむのだ。


だが一方で、彼女は神戸といると無駄に話す。
きっと私には見せない顔も同期の彼には見せているのだろう。
そう思う度に、私は苛立って仕方がなかった‥何故かは分からない。
だが無性に腹が立ってしまう。

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