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君の隣の相棒さん、

第26章 強く、優しい(伊)

多分、今私は凄く酷い顔をしている。
ふわりと離れた温もりが、私を見て小さく笑った。


「ったく‥、何て顔してんだよっ」


笑わないでと言おうとした私を無視して、唇を温かいぬくもりが襲う。

伊丹さんが、私の唇を奪ったんだ…。

それがあまりにも優しかったから、私はまた涙を流す。
ゆっくりと角度を変えて、一旦離れたかと思えばまたすぐに襲ってくる優しさ。

息を吸いたくて少し開いた隙間から伊丹さんの舌が入り込んで、余計に苦しくなった。

でもその苦しさは苦ではなく、甘くてもっとほしくなる‥‥‥そんな口づけだった。


そっと離れた温もりに、伊丹さんが少し息を荒くしながら口元に笑みを浮かべている。

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