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君の隣の相棒さん、

第35章 それでいい(伊)

「監察官、朔監察官」


『んー‥‥』



家へ上がるとそのままソファーにおぶってきたあの人を降ろすと離れた反動でか故意にか、あの人が俺のスーツを引っ張って離さない。



「監察官、今水持ってきますから離して下さい」


『んぅ‥‥わかり、ました‥あの‥いた、み、さん‥』


「何です?」


『名前‥朔でいいですから‥‥』


「ぁ、ああ‥分かりました、朔さん」



俺がそう言って見せると何処か嬉しそうな表情に変わって、スーツから手を離した。

水を取りに行くと思わず口元を抑えていた俺は、現在進行系で頭の中が混乱している。

いつもと違う、女としてのあの人を見ているような気がしてならず理性というヤツで自分を縛り付けておくので精一杯だった。

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