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君の隣の相棒さん、

第36章 友達以上、恋人未満(神)

「あのさ、」


『…?』



そっと離れて尊の顔を見ると、何だか複雑そうな表情を浮かべている。
そのあと突然、彼が真剣になって言った。



「やっぱりさ、駄目なのかな?同期以上は‥」


『っ…尊‥‥』



私はなんとも言えなかった。
YESともNOとも言えなくて口ごもってしまう。

答えが出せず何も出来ない自分が怖くなった私は、自分から会いに来たにも関わらず尊から逃げようと離れていた。



「持って」



すかさず私の腕を掴む尊。
逃げようとしていたので背を向けたままの私を、優しく背中から包み込む尊からはいつもよりも熱を感じた…。



「俺は、君がどっちを選んでも変わらないし変えようとも思わない。俺は俺のままだし、君も君のままだ。…ただ俺の気持ちとして、ちょっとくらいは前向きに考えたいなって、思っただけだから」



────尊の言葉が逆に苦しかった。
好きとも無理だとも言わない尊は、言葉を重ねる度に私を包み込む腕の力が強くなっていた。


痛い。辛い。苦しい…


そんな気持ちが私の心を蝕んでいく‥‥。

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