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君の隣の相棒さん、

第43章 変わらない38.1℃(伊)

それから暫くして交互に風呂へ入った俺と彼女。
彼女は泊まれるようにと大きめの鞄を持ってきて、どうやら愛用のバイクで俺の家まで来たらしい。
その証拠に、暗い所で光るチェスで言うところの“クイーン”のキーホルダーが付いたバイクのキーがテーブルに置かれていた。

風呂上がり。Tシャツに短パン姿の彼女。束ねた髪を降ろし、意外にラフな雰囲気の彼女に逆に胸がきゅんとさせられていた。



『調子は如何ですか…?』


「ん、ああ。正直、だるさが抜けませんね」


『そうですか。熱は…』


「え‥、ぁっ‥‥」


そっと額に宛てられた彼女の手。その手は少し冷たくて、何だか気持ちを落ち着かせてくれるようだった。
それから首筋に触れた彼女は、両手で何やら探っている様子だった。



『熱はまだ有りそうですが、リンパ腺の腫れは漸く引いたみたいですね‥良かった』



そう言えば彼女の父親は医者だと聞いたことがあった。教授クラスで凄い人間だが、彼女はそんな父親をあまり良く思っていないようだ…。


とにもかくにも、医者の様な行動は両親にそういう勉強もさせられてきたからなのだろうか…妙に気になってならなかった。

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