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君の隣の相棒さん、

第43章 変わらない38.1℃(伊)

「…朔さんは、医者の勉強もなさっていたんですか?」


『何故その様に…?』


「手際がいいといいますか‥その、お医者様のような行動をしていたのでそうなのではないかと‥‥」


『あぁ…医療関係は一通り。結局、今の職に就いてからは殆ど使われることは有りませんが‥‥まぁ、たまに役には立ってますけどね』



それから、弁護士である母親の話もしてくれた彼女。
話をしているときの彼女は何だかもううんざり、と言った感じだった。



『ごめんなさい。私ったらつい‥』


「いや、俺の方こそすいません。あんまり話したいことじゃなかったみたいなのに‥」


『あぁ…ふふっ。気を使って下さるなんて優しいんですね、伊丹さんは』



彼女の少しだけ無理が混ざった微笑みが俺の胸の奥を突つく。
正直、優しい自分なんて分からない。だけど彼女の前にいると自然とそういう自分が現れるのか、それともそんな彼女にそうさせられているのか…。

だかららしくもなく彼女の手を無意識に握った俺はこんなことが言えるのかもしれない。

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