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君の隣の相棒さん、

第47章 快楽サディスト(伊神※)

「咲音ちゃん。君昼間から何て物読んでるの‥」


『見ての通りです。‥‥こんなのも有りますよ?』



考えても見た。本は全てブックカバーがかけられていること、冷静に考えれば全部にカバーがかけられているなんて可笑しいと思うはず。

それから淡々とそう話した彼女が手渡して来た単行本の中身は小説のBLものだった。



「もしかしてこれ全部?」


『はい。‥‥良かったらこれ、読んで感想聞かせて下さい』


「ん、これは?」


『私が考えた小説です』



どうせ暇ですよね?だったら場所変えて読んで下さい、とキッパリと言われて思わず漏れる苦笑い。
借りた小説と一緒に、彼女が書いたという黒いノートも持って俺は特命を出た。


休憩室。誰も居なくてラッキーだった。人目をしのぎノートを開くと始まる無タイトルの小説。
読みやすい彼女の文字。あらすじ・設定はこうだった。


“警視庁の部署が違う男同士の禁断の恋愛”────


設定にドキリとさせられ、いざ読み始めると止まらない思考と想像力。
まさに、“官能小説”と呼ぶにふさわしいものだった。

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