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君の隣の相棒さん、

第7章 どんなサイレンよりも、(神)

その後、連絡をしても彼女は出ず、遂にその日はそれ以来会うことがなかった。


───午後八時を回った頃、特に何も用事がなかった俺が一人自宅へと車を走らせていたときのこと。


突然の彼女からの電話。
今まで俺からの電話には出なかったのに、自分からはしてくる。


俺は車を端に寄せると、少し怒り気味に電話に出た。


「もしもし、今更電話してきたって許さないよ…?」


彼女からの返答はない。
ただ、荒々しい息の音だけが聞こえてくる。
俺はもう一度声をかけた。


「聞いてる…?」


『───尊‥』


彼女が俺を名前で呼んだ。


彼女が俺を名前で呼ぶときは重要なことを伝えるとき、もしくは非常時の場合だ。

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