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君の隣の相棒さん、

第11章 心も、身体も、(伊※)

それからほどなく仕事は終わり、俺は彼奴と一緒に夜道を歩いていた。


「なぁ、」


『はい‥?』


「今日、いいか…?」


控え気味に言った俺の言葉を理解した彼奴は、すぐに頷いて答えを出してくれた。


『っ‥伊丹先輩…』


「悪い、限界だったんだ」


俺の自宅に入るなり俺は玄関先で彼奴を背中から抱き締めた。


彼奴は俺の腕を優しく叩くと靴を脱いで部屋へと促した。


『先輩、かなり疲れてたんですね‥』


「まぁ、な‥つか、二人なんだから先輩呼びやめろ」


『分かりました、憲一さん』


なんとなくいつも通りにベッドに腰かけた俺と彼奴。


彼奴に名前を呼ばれると、今日はなんだかいつもより心臓が煩かった。

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