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君の隣の相棒さん、

第12章 彼女と彼と、(L※)

「あのさ‥ちょっと変なこと聞いてもいい?」


「‥何でしょうか」


「うん…君って、本当に男、、だよね?」


資料に目を落としていた彼の視線が、急に俺に向けられた。


彼は特に表情を変えることなく、俺に言い返す。


「何故そんなことを…?」


「気のせいだったら謝るけどさ、ずっと君に違和感を感じてたんだ。そうだな…言うなれば、男って型に嵌まらない気がする」


小さい瞳が一瞬揺れ動いたのを俺は見逃さない。
彼は間違いなく、ほんの一瞬だが動揺していた。


資料を閉じた彼が脚立から下り、俺に向き直る。


「女に見えますか?」


「見える‥‥気がする」


吸い込まれるように彼に近付いた俺は、気付いたら彼を資料棚の壁に追い込むような体勢になっていた。

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