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君の隣の相棒さん、

第12章 彼女と彼と、(L※)

「‥‥僕は男です」


「…だよね」


隠しているようだけど俺には嘘だと分かる。
小さく小さく揺れ動いている彼の黒目が、それを物語っていた。


そんな納得したような口振りでいうと壁に手をついて顎を捕らえたら、彼の綺麗な瞳が俺を見詰める。


その瞬間、俺はもうどうにでもなれと思った。


「俺は君が好きだ」


唐突にそう言った俺は彼の腕を伝って指に指を絡めると、彼も同じように絡めてきた。


やがてどちらとも言わずぶつかった視線に口づける。


触れるだけのそれはゆっくりと深く、甘いものへと変わっていった。
柔らかい舌に触れればどちらとも言わずに絡め合い、ちゅっ、というリップ音と共にそっと離れる。

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