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君の隣の相棒さん、

第17章 気付かれないように、(甲)

その瞬間、俺は彼女の手を取るとそっと言った。


「ゆっくりでいいよ‥‥じゃ、行こうか」


彼女ははっ、となったかと思えばまたすぐに俯いて、俺の手を掴んだままゆっくりと休憩室へと向かった。


どうやら、俺が彼女の剣幕の理由を知っていることにようやく気付いたようだ…。


『‥‥気付いてたんですね』


「まぁね。痛いんでしょ?」


黙って頷く彼女はそっと右足首を見せる。
少し腫れているように見える足首に触れると、彼女は片方の目を瞑ってその痛さを物語った。


「あーあ、結構派手に痛めたね。手当てするからじっとしててね」


『結構です‥っ』


「はいはい、無理しないのっ」


ベストの内ポケットから取り出した湿布と包帯に彼女は驚いている。


どうやら用意周到な俺を珍しく感じているようだった。

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