君の隣の相棒さん、
第4章 煙草が示す気持ち(伊)
『私は父が心底嫌いになりました。ギャンブル好きで、自分勝手で、何より、母に手を挙げていた父の全てを』
そう言いきった彼奴が、俺をその瞳で見詰める。
揺らぎない彼奴の真っ直ぐな瞳に俺は思わず息を呑んだ。
『今でもまだ鼻につくんですよ‥、父の吸っていた煙草の匂いが。そんなことがあってか、自然と煙草の匂いがする人に近付かなくなりました。だから先輩も…でも、先輩は嫌いになれませんでした。何でだと思います?』
首を傾げて何でなんだ、と言った俺に彼奴は優しい口調でまるで春風が話しかけるかのように言っていた。
そう言いきった彼奴が、俺をその瞳で見詰める。
揺らぎない彼奴の真っ直ぐな瞳に俺は思わず息を呑んだ。
『今でもまだ鼻につくんですよ‥、父の吸っていた煙草の匂いが。そんなことがあってか、自然と煙草の匂いがする人に近付かなくなりました。だから先輩も…でも、先輩は嫌いになれませんでした。何でだと思います?』
首を傾げて何でなんだ、と言った俺に彼奴は優しい口調でまるで春風が話しかけるかのように言っていた。