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恋してキスして抱きしめて

第8章 だから、俺も予想外なんだって

「俺を部屋に入れたら、マジで寝れなくなるよ。
次の日腰痛くて、メイクどころじゃなくなっちゃうよ~?」

「…………」

「今度は俺から誘うから。
その時は初めからホテルに直行しようぜ」



会計を済ませて、店を出る。


エレベーターに乗って、15階と1階のボタンを押した。


扉が閉まると同時に、スミレが俺の正面に立つ。



「睨まないでよ、スミレさん。
貴方の体調を思って……」

「どうして抱いてくれないの?」

「…………」

「そんなに私、魅力ないかな?」



美容を施す技術者でありながら、モデル並みのスタイル。


俺を真っ直ぐ見据える切れ長の目は、女豹って例えがぴったりだ。


後ろが大きく開いたドレスの背中に手を回す。



「魅力も色気も、溢れまくりよ?」

「じゃあ。
一体いつになったら、 “ 飲むだけ ” の関係を突破できるの?」

「俺はいつでもウエルカムよ~ん」

「そう言って、何ヶ月経ったと思ってるわけ?
酷いわよ、ユーリ」

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