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恋してキスして抱きしめて

第8章 だから、俺も予想外なんだって

「~~~!!」

「…………あ」



最後の名前で、鬼のような形相になったスミレ。


そのまま突進される直前、エレベーターの扉が閉まった。



「……悪い、今のはマジで無意識……」



って呟いてたところで、既に遅し。


女の名前を忘れても、本人の前で呼び間違えるなんてミス、した事ねぇんだけどな……



エレベーターが1Fに着き、外に出ると


駅に設置された時計の針が、ちょうど夜の11時を表示していた。


あと1時間もすれば日付が変わって、千夏と花火を見に行ってから1週間が経つことになる。



「……はは、数えちまってるし」



………マジで、ど~なっちゃってんの俺。


千夏とキスした花火の夜が


俺の脳裏に焼き付いたまま、離れない。

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