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恋してキスして抱きしめて

第9章 あの、立場逆転してませんか?

「誕生日までには、全部清算するよ」

「………え?」

「遊ぶなら、ちーちゃんだけにしたいから」

「…………!!」



………夏輝

お前はどうでもいいとしても


………常務

ごめんなさい。



初っ端から育て方を間違えまして


ボクは、娘さんの恋する相手になってしまいました。


そして……



「ちーちゃん」

「は、はい……!」

「俺も、同じ。
ちーちゃんを想うと、胸がきゅうっとするんだ」

「~~~~!!」

「教育係、失格……」



こんな俺にもまだ


誰かを愛しいと思う気持ちが残っていたみたいです。




小さな頭を撫でながら深く息を吐き出すと


抱きしめたその体が、もぞもぞと動き出して


俺の腕の中で身を捩りながら、千夏が顔を上げた。


両目から金粉振りまいてますよって言いたいくらい、瞳がキラキラしてる。

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