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恋してキスして抱きしめて

第10章 ゆっくり進もうって、俺言ったよね!?

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『え?彼女ができた?』

「彼女っつーか……
なんか、大事にしなきゃいけねぇもんって感じ~?」

『…………』

「別に、彼女に隠してお前と逢ってもいいんだけど
その気すらおきねぇっつーか……」



電話の相手が押し黙り、暫しの沈黙。


……またしても、さっき清算した女と同じ反応なのはナゼ?



「聞いてます~?
だから、週末の予定キャンセルして……」

『良かったね、ユーリ』



………良かった?


どこで出逢ったかも忘れた、飲むと涙脆くなる女。


電話の向こうから、すすり泣きと共にふっと笑ったような、安堵の声が聞こえた。



『大人しく、身を引くわよ』

「…………!」

『ユーリに大事な人が出来たのなら、仕方ないわ』

「……悪いな、結局抱いてやれなくて」


『ふふっ、いいのよ。

他の女はどうか知らないけど、私はユーリとデートしたりキスできるだけで嬉しかったもの。

……それに』

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