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恋してキスして抱きしめて

第10章 ゆっくり進もうって、俺言ったよね!?

ニヤっとする表情まで目に浮かんできそうな、今度はハッキリ聞こえた笑い声。



『本当はいないんでしょ、ユーリ』


「…………!」


『こんなにも女性の気持ちを分かってくれて

優しくて楽しい時間を与えてくれるチャラ男なんて聞いたことないわ。

途中から私、体の繋がりが無くてもいいって、本気で思えたんだもの』


「…………」


『悔しいけど、あなたが誰かを好きになれるならそれでいい。

うまくいくといいわね、その大事な人と』



“ チャラい遊び人のふりして
本当はセフレなんて1人もいないんじゃない? ”



あの日言われたスミレの言葉が、頭の中で自動的に再リピート。


………洞察力って、全ての女に備え付けられたチカラなの?



「……女って、すげーな」

『男って、バカよね』

「………!」

『間違えた、ユーリってバカよね。
涙止まらないからもう切るわよ』



最後に、ありがとうって小さく聞こえて


アドレス帳に登録していた、最後の女の清算が終わった。

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