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恋してキスして抱きしめて

第10章 ゆっくり進もうって、俺言ったよね!?

「……ちーちゃん。
もう一度、俺に何をしてほしいの?」



“ 普通の ” 恋愛ビギナーなら、遠慮とか恥じらいがあるから言えないはずだ。


初心者じゃなくても、自分の欲望をこんなにも素直に言う女は少ない。


だけど千夏の場合


内気だという本人が気付かない程、無意識のまま思ったことを口や態度に出してしまう。



「なぁ、何が我慢できないの?」


『……花火の日と同じように
あたしとキスしてください』


「………!」


『1週間前、うちに来てくれた日と同じように
……もう一度、抱きしめてください』




……はは、予想通り。


すげーな、一体どんな表情して言ったわけ?


……マジでゾクゾクする。


ゆっくり進もうって気遣ってやった俺の理性


たった今豪快にぶっ壊したけど、ちゃんと責任取ってくれんだろうな?



「あのさ。
キスして抱きしめるだけじゃ、収まらないって分かってんの?」

『………!』

「俺の事、今確実に誘ったんだぜ?」



余裕が無くて、つい口調が悪くなっちまった。


8つも年下の処女相手に、何熱くなってんだか。


……だけど


そんな俺の頭を殴るかのような、予想を超えた言葉が耳を貫いた。




『……今夜は帰らなくても大丈夫です』


「…………!!」


『ユーリさん、お願い。

……今夜、あたしに

ユーリさんを独り占めさせてください……』

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