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恋してキスして抱きしめて

第15章 あたしだけを、見て

* * *


「……意味不明」



金曜の夜のホームは、いつにも増して賑やかで


俺の独り言は、その雑音に吸収されて消えていく。



………終わってるよ、とっくに。


いつまでも1人で止まってるわけにはいかねぇし、前に進んでるつもりだ。



“ どんなに冷たい男を演じても
無理だよ、おまえには ”

“ 多分、朱莉も気付いてる ”



……酔いが回って気分が悪い。

やけにイライラする。



「……いいかげん帰るか」



電車がホームに到着するアナウンスが流れて、ベンチから立ち上がろうとした時


スーツのポケットに入れてあった携帯が鳴った。



「………!」



メール受信の文字。


差出人は千夏。


タップして本文を開くと、絵文字の無いシンプルな文章が浮かび上がった。



『ユーリさん、お疲れ様です。

明日が楽しみすぎて

胸がドキドキして

コンビニで陽菜ちゃん』

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