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恋してキスして抱きしめて

第15章 あたしだけを、見て

「え~~っと、君が陽菜ちゃん?」

『はい、突然お電話お借りしてすみません。
千夏と同じ学部で、いつも仲良くさせていただいてます』

「そ、そうなんですか……」

『少しだけ、お話させていただいても宜しいでしょうか?』

「ど、どうぞ……」



あったま良さそ~~!!


俺、緊張してすげードモってる~~!!


思わず敬語になっちまった年上の僕。


それが可笑しかったのか、ププッと笑う声が聞こえてきた。



『えへへ♡
千夏がベタ惚れのユーリさんとお話できるなんて、幸せです♡』

「………!」

『出しゃばって申し訳ないと思いましたが
彼氏さんにメールしなって、私が千夏に言ったんです』



“ 大学近くの友達の家に行くって、パパにメールを…… ”



千夏が俺のマンションに来た時に、そう言ってカモフラージュとして設定したのが


今電話で話している、陽菜という友達らしい。


今夜開催されたゼミの飲み会も、近くの居酒屋でやっていたことを、彼女は無駄なく俺に説明してくれた。

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