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恋してキスして抱きしめて

第17章 積乱雲と、スコール

…………?


な、何を、言ってるの……?


朱莉さんは微笑んでいるけど、あたしはなんだか怖くなってきた。


水をかけたその場所は、目を背けたくなるほど


炎症が酷過ぎて、ただれてしまっている。



「い、痛くないはずないです……!
こんなに赤くなって……」

「本当に大丈夫よ」

「だ、だめです……!」



普通だったら悲鳴をあげてもおかしくない。


だけど朱莉さんは本当に何も感じていないように、あたしを見つめる。


……痛みを感じていないなら、本当に危険だ。


素人のこんな浅い処置じゃ、これ以上どうすることもできない。



「……病院に……っ」



あたしは地面に放置したままのバッグから、携帯を探す。


ここから近くの病院……いや、それよりも救急……




「いいの。

……夫にも、頭がおかしいって言われてるから」


「…………!!」




その言葉で



番号を押そうとした手が止まる



………その時






「……なにしてんの?」

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