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恋してキスして抱きしめて

第17章 積乱雲と、スコール

「だ、大丈夫ですか……!?」

「…………」

「ごめんなさい、沁みますよね?
でも、確か火傷って早急に冷やさないと……」

「……千夏、ちゃん……」

「そうだ、保冷剤……っ」



ペットボトルが空になると、あたしはそれを捨てて


食材の入った袋の中から、スーパーでもらった保冷剤を取り出した。


1個しかないけど、とりあえずこれで足の裏を………



「……大丈夫よ」

「…………!!」

「ありがとう、千夏ちゃん」



彼女の足首を持ち上げようとしたタイミングで


頭の上から優しい声が降ってきて、ハッと我に返る。


ゆっくりと顔を上げると……




「とっても、優しいのね」


「……朱莉さ……」


「平気よ、痛くないわ」




朱莉さんは、ふっと微笑むと


再び麦わら帽子をかぶった。




「何もかもが、与えられた罰なのよ」


「…………!」


「薄情者で、裏切者。

当然の、報いなの」

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