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………だからこそ、分かる。




「………朱莉の目には

まだ力があります」


「…………！」


「ちゃんと、生きています」




悩み、苦しみ、もがきながら


前に進むために、１歩ずつ


出口を探して、彷徨っていたんだ。




“ 終わらせてやれよ。

……お前も、朱莉も……心が次に進む為に ”




……ヒメ……


お前が俺に告げた、その言葉の意味が


俺が今、やるべきことが


俺にしか、できないことが


今になって、ようやく………




「………俺の知っている朱莉は

繊細で、弱くて

だけど、よく笑います」




真っ直ぐ俺を見る旦那に向けて


俺はゆっくり頭を下げた。




「………彼女の笑顔を


奪わないでください。


俺は


朱莉の笑顔が


何よりも好きでした」