テキストサイズ

恋してキスして抱きしめて

第19章 本当の、サヨナラ

「…………っ」



………何よりも先に、連絡しなければいけなかったのに


朱莉の旦那が現れたことで、すっかり抜け落ちていた。


なんで、ここが分かった……?




「……! ユーリ……?」




朱莉が呼んだ時には、俺は既に病室の入口へと走り出していて


早足で遠退いていく、その後ろ姿を追いかけようとした時


外側のドアノブに、ひとつの紙袋がかかっていることに気付いた。




………俺のマンションがある、最寄駅から直結の


小さい百貨店のロゴが付いた、紙袋。



………なんだ?


両手で抱えられる大きさの、その袋をドアノブから外して中を覗くと




「…………!!」




ドクンと、大きく心臓が跳ねる。


封の開いた、その紙袋の中には………





…………っ


ストーリーメニュー

TOPTOPへ