恋してキスして抱きしめて
第2章 待て、なぜ俺に頼む?
「……ユーリ。
お前、その顔まさか……」
営業先から会社に戻った瞬間。
デスクの真正面、2つ年上の先輩が俺を見て眉を顰めた。
その歪んだ顔に向けて、遠慮なくVサインを披露。
「まさかのまさか♡
契約成立しました~!」
「うぜぇ。もういい、黙れ」
お~いいねぇ、その悔しさに滲む表情。
そりゃ、後輩がデカイ取引先との商談を一発でまとめてくりゃ嘆きたくもなるわな。
俺はネクタイを緩め、ニヤニヤしながら席に着く。
「違うんスよ、先輩。
先方の社長さん、グラマーな体型してる “ 熟女 ” でして」
「………出た!」
「ね、その時点で、もらったぁってガッツポーズ。
しまいには社長室で襲われそうになっちまいました」
「お前なぁ……」
「いや、マジで俺は指1本触れてないですって」
専務のジジイが、いいタイミングで入ってきてくれたから助かったけど
応接ソファに座る俺の上に女社長が乗ろうとした時は、流石に焦った。
大事な契約書をカバンから取り出すと、先輩はやれやれと溜息をつく。
「……たく。
また1人、自らユーリの巣に引っ掛かったか。
お前、何人犠牲者出すつもりだ?」
お前、その顔まさか……」
営業先から会社に戻った瞬間。
デスクの真正面、2つ年上の先輩が俺を見て眉を顰めた。
その歪んだ顔に向けて、遠慮なくVサインを披露。
「まさかのまさか♡
契約成立しました~!」
「うぜぇ。もういい、黙れ」
お~いいねぇ、その悔しさに滲む表情。
そりゃ、後輩がデカイ取引先との商談を一発でまとめてくりゃ嘆きたくもなるわな。
俺はネクタイを緩め、ニヤニヤしながら席に着く。
「違うんスよ、先輩。
先方の社長さん、グラマーな体型してる “ 熟女 ” でして」
「………出た!」
「ね、その時点で、もらったぁってガッツポーズ。
しまいには社長室で襲われそうになっちまいました」
「お前なぁ……」
「いや、マジで俺は指1本触れてないですって」
専務のジジイが、いいタイミングで入ってきてくれたから助かったけど
応接ソファに座る俺の上に女社長が乗ろうとした時は、流石に焦った。
大事な契約書をカバンから取り出すと、先輩はやれやれと溜息をつく。
「……たく。
また1人、自らユーリの巣に引っ掛かったか。
お前、何人犠牲者出すつもりだ?」