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恋してキスして抱きしめて

第2章 待て、なぜ俺に頼む?

人聞き悪いこと言いやがる。


俺は常に真面目に健全に、会社の為に働く勇敢な戦士なのよ?


本格的な夏が始まる7月半ば、汗水垂らして頑張るサラリーマンなのです。



「ユーリさ~ん。
その契約書ください。
早めに経理に回しておきます」

「お♡さっすが俺のアシスタント!
胸はデカいし気も利くな」

「途中の一言いりません。
イケメンだから許されるけど、普通はセクハラです」

「いいじゃん、褒めてるんだから」



サササ~っと必要各所に印を押して、隣りの席の舞(まい)ちゃんに渡す。


優秀な営業マンには、優秀な事務アシスタントを与えられるわけで


入社は俺の2コ下・25歳の舞ちゃんとはいいコンビを築けている。



「今月も契約成立数、断トツTOP。
セクハラ発言が多くても、やっぱりユーリさんは凄いです」

「でしょ~
舞ちゃん、もしかして惚れた?」

「さすが熟女キラーですねぇ。
舞はワ・カ・イので、ユーリさんの恋愛対象にはなりません」

「…………」



……あのね、舞ちゃん。


熟女キラーかもしれねぇけど、俺は若い女の方が好きよ?


既に業務に戻った彼女を見て、今度は俺が溜息をついた。

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