恋してキスして抱きしめて
第22章 青春フルスロットル
「……あ、ご、ごめんね千夏」
放心していた陽菜ちゃんが、ハッと我に返った。
「この人は、蓮せんせい」
「…………」
「前に、ちょっと話したことあるの覚えてる?
私が小学生の時の、地元のスイミングスクールのコーチだったの。
だから、今でも先生って呼んでるんだ」
「…………」
「大学では私の先輩になるわけで
当時水泳部の絶対的なエースで……」
………陽菜ちゃん。
説明を聞かなくても、あたし既に分かっちゃってる。
……お兄ちゃんが教えてくれた……ユーリさんと朱莉さんの、同級生。
“ カリスマ的な存在の、名前が同じ2人のイケメンがいてさ ”
“ 一瞬引くほどのオーラで、ザワつかれるのが茶髪。
もう1人は……… ”
「蓮せんせい。
私の親友の、千夏だよ」
陽菜ちゃんがあたしを紹介してくれると
“ 黒髪の蓮 ” は、あたしを見て微笑んだ。
「初めまして、千夏ちゃん。
鈴木 蓮(すずき れん)です」