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恋してキスして抱きしめて

第23章 もう一度、あの場所から

「もしもーし、ヒメ!?
あたし、ヒカル。 歌い終わった?」

「…………!」

「うん、見つけた~~
今学食出たからもうすぐ着く!」



あたしと手を繋ぐ反対側で、ヒカルさんは携帯で電話を始めた。



「あんたねぇ、たまたま休憩中だったから良かったものの。
接客業に土曜の夜に抜け出せって、無謀にも程があるっつーの!」

「…………!」

「……あはは、そうだね。
でもまぁ、いいってことよ。
腹くだしてピーピーいって、トイレに引き籠ってることになってるから、終わったらすぐ戻るけどね!」

「………??」



電話の相手と、楽しそうに会話をしているヒカルさん。


学食のある1号館を出ると、緩やかな坂道を下り始めた。


そして、メインステージのある陸上競技場が見えてくると……




「……あたしも、みんなと想いは一緒。

ユーリの為なら、地の果てでも行くわよ」


「…………!!」




最後にそう言って、ヒカルさんは携帯を切ると


歩くスピードを速めて、さらにギュッとあたしの手を握った。

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