恋してキスして抱きしめて
第23章 もう一度、あの場所から
「千夏ちゃん、心からお礼を言うわ」
「……えっ……?」
「ユーリと出逢ってくれて
あいつに、また恋する気持ちを取り戻させてくれて
本当にありがとう」
「…………!!」
………見上げたその顔には
どんな人でも惹きつけてしまいそうな、優しい微笑みが溢れていて
女の人なのに、すっごくかっこよくて
少し前に現れた、同じ黒髪の彼の笑顔と重なる。
「千夏ちゃん、あなた明日からアイドルよ♡」
「……へっ……!?」
ヒカルさんの言葉を聞いて、思わず変な声が出てしまった。
「少々注目の的になると思うけど
何かあったら、すぐに報告してね」
「あ、あの……?///」
「当大学卒業生、華の世代のあたし達が
全力で守ってあげるから心配無用!」
………このドキドキは、走ってるからだけじゃない。
理由は分からないけど、心臓が破裂しそうなほど高鳴って
ヒカルさんが足を止めて、前方を指さした先に………