恋してキスして抱きしめて
第23章 もう一度、あの場所から
「……ユーリさ……っ」
足がガクガクして、上手く前に進めない。
涙が溢れて止まらないから、視界がボヤけて滲んでしまう。
だけど
………もう一度
初めて出逢ったあの場所から………
「…………っ」
ありったけの力を振り絞って
芝生を踏みつぶしながら、広場へと真っ直ぐ進んでいく。
………初夏の日差しが照りつけていた、あの日から
宝物のような言葉を、沢山贈ってもらっていたんだ。
………今、そのひとつひとつが
あたしの心いっぱいに、満ちている。
“ 俺は、ここにいる ”
“ ちゃんと千夏を見て
千夏だけを感じてるから ”
“ お前だけを、見てるよ。
これからも、ずっと。
……俺は、心から千夏が好きなんだ ”
「……ユーリさん……!!」