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恋してキスして抱きしめて

第24章 ずっと、好きだった

.。.:* side ユーリ *:.。.。.:**:.。.。.:**:.。.。.:*



………ヒメのマンションを出てから、ジェットコースター並みの早さでここまできた。


大学に着いて、多くの友人達が作り上げた即席の舞台で


紙一重で引いちゃう、一世一代の告白を披露したわけで


俺の心臓は、止まることなく早い鼓動を続けている。


それでも、千夏を再び抱きしめることができたから


やっと落ち着けると思っていたっつーのに………




「……お兄ちゃん……!」




夏輝の腕の中で、千夏が驚いたように声をあげる。


オレンジ色のタンクトップから伸びる、引き締まった色黒の腕。


俺から引き剥がすようにして、千夏を片手で抱えると



「俺は許可してねぇぞ」



………夏輝は俺を睨みつけてから


千夏の耳元で、低い声で続けた。



「……俺にとって大事なもんに

勝手にキスしようとしてんじゃねぇよ」

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