恋してキスして抱きしめて
第24章 ずっと、好きだった
………一瞬だった。
伸ばした俺の手は、ぐっと強く掴まれて
夏輝の左腕が、俺の頭を引き寄せると
「…………!!!」
「………おい……!!」
「ちょ、ちょっと夏……!?」
……視界が暗くなる直前に
銀杏の木の陰から傾れ込むように出てきた、蓮とヒカルの姿が目に入った。
……だけど、見えたのはその2人だけで
千夏が腰を抜かして倒れる音が、すぐ横で聞こえたと同時に
「……………」
俺の体に、夏輝の体が密着して
俺の顔に、夏輝の顔が近付いて
俺と夏輝の唇が重なって
………つまり、今
高校時代から続く、友人の男に
俺は
キスをされている。