恋してキスして抱きしめて
第24章 ずっと、好きだった
「……お兄ちゃん……?」
首を傾げる千夏に、視線を移すと
夏輝は、その肩に右手を置いた。
「この前、諦めるって言ったけど
ステージ上での、ユーリの告白を聞いて
………気が変わった」
「……えっ……?」
「…………!!」
……夏輝……!
揺れていた瞳に、鋭さが戻ったのを見て
ゾクリという感覚と同時に、背中に一筋の汗が流れる。
夏輝は、千夏を真っ直ぐ見つめたままだ。
「………12年前から
ずっと好きだったんだ」
「…………!!」
「悪いけど、お前には渡せない」
……ま、待て………!!
声が出ないから、慌てて2人の間に腕を伸ばす。
驚いて固まったままの千夏。
触れていたその小さな肩から、夏輝は手を外すと
「…………!?」