恋してキスして抱きしめて
第24章 ずっと、好きだった
「……あの、質問なんですが。
あなたの好きな人は、千夏なんですよね?」
ギャーギャー言い合いを続ける3人を諦めて
恐る恐る聞いてみた僕は、ビビりすぎて思わず敬語。
「千夏は妹だって、前にも言っただろ」
ヒメから受け取った缶ビールを飲み乾して、夏輝はケロッとした顔で俺を見下ろす。
「血の繋がった、正真正銘の家族だ」
「……で、でもつい先程、大事なもんにキスしようとするなって……」
「千夏に言ったんだよ。
どう見たって誘ったのは千夏だから」
「…………!!」
泡を吹いて倒れそうな千夏には、もう目もくれず
ラインの入った坊主頭と、両耳に付けたゴールドのピアスを光らせて
夏輝が俺に向けて手を差し出した。
「俺が大事に、愛おしく思うのは
ユーリ、お前だよ」
「…………!!」
「高校の入学式、初めてお前を見た時から
ずっと好きだった」